石山寺創建の縁起

西国三十三所観音巡礼の十三番札所としてにぎわいを見せる石山寺は、奈良時代、聖武天皇の治世に創建されたと伝えられます。
ある時、聖武天皇は大仏の造立を思いたち、僧・良弁に材料となる黄金の探索にあたらせました。良弁は大和国金峰山に登り、一心に蔵王権現に祈ったところ、「近江国志賀郡の湖辺にある観音の霊地で祈れば願いがかなうであろう」との夢告をうけます。さっそく彼の地に赴くと、比良明神の化身たる老翁が現れ、八葉蓮華の形をした大岩へと導かれました。
都に帰った良弁は事の子細を天皇に申し上げ、天皇の守り本尊を賜って彼の大岩の上に安置し、そこに草庵をかまえて秘法を行いました。するとこの年、陸奥国より砂金が見つかり朝廷へ無事献上されることとなりました。
ところで、秘法を終えた良弁が、守り本尊を岩上から動かそうとしたところ、微動だにしなかったといいます。そこで天皇に願い出て、また比良明神に請い、岩上の本尊を中心に一大寺院を建立したというのが、石山寺の始まりです。

ゆかりの地
石山寺 境内一円

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