石山寺多宝塔

硅灰石の上方にそびえるように建つ多宝塔は、源頼朝に寄進され、下層の須弥壇上框裏面の墨書から建久5年(1194)に建立されたことがわかっています。建立年代が明らかな多宝塔の中でもっとも古い多宝塔であり、上下二層のバランスや軒の曲線の美しさで知られ、日本が誇る最古最美の多宝塔として知られています。
本尊は、金剛界の大日如来像(重要文化財)で、胎内の銘文と作風から、鎌倉時代を代表する仏師快慶の作であることが判明しています。またこの本尊を囲む四天柱には金剛界の諸尊と五大尊が描かれており、多宝塔建立当時の平安時代から鎌倉時代へ移る過渡期の仏画の水準を示す貴重な作例として、重要文化財に指定されています。

指定区分
国宝
構造
三間多宝塔 檜皮葺

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