第8回ワークショップの記録

石山寺は紫式部が『源氏物語』の着想を得た地といわれています。『源氏物語』は、桐壺から始まる五十四帖で構成され、紫式部の時代から多くの人に愛されました。『源氏物語』は文学作品としてだけでなく、後に主要な場面が「源氏絵」として絵画化され、絵巻や冊子絵として鑑賞されるなど、日本の美術にも大きな影響を与えました。石山寺にも、数々の『源氏物語』に関連する宝物が所蔵されています。その中でも『源氏小鏡』は、物語の五十四帖各巻について、あらすじ、登場人物、和歌などをわかりやすく解説し、その間の重要な場面の挿絵を一枚添えた「五十四帖で読む源氏物語」として十四世紀ごろ作られたものです。石山寺本『源氏小鏡』は、端麗な筆致の古写本であると同時に、挿絵は美しく精細な彩色画です。このような彩色画の挿絵を持つ『源氏小鏡』は、わが国では石山寺本だけです。今回は『源氏小鏡』をはじめとする源氏絵の深い魅力に迫っていきます。またセミナー後には、この石山寺本『源氏小 』の塗り絵体験の時間も用意しています。ぜひお楽しみください。

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