山上不動堂

元慶年間(877〜885)、三井寺の祖・智証大師円珍によって開基されたお堂です。正式には「山上浪切不動尊」といい、その本尊はお堂の奥にひっそりと佇む磨崖仏です。この磨崖仏は「仁治三年(1242)」の銘が刻まれている極めて古い石仏です。
山上不動堂は比叡山延暦寺との法脈の違いから幾度となく焼き討ちにあい、とりわけ仁治3年(1242)3月21日の被害は甚大で、三井寺門前町では少なくとも千余戸は消失したといわれています。その供養のため大岩に磨崖仏を刻し、同年8月28日、開眼供養されたといわれています。現在も、毎年8月28日には三井寺の僧が導師として赴き、修験道の山伏姿で勇壮な法要が営まれます。

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